当院の実際の手術を動画でお見せいたします。

全身麻酔を必要としますが、当院には麻酔科専門医が麻酔を担当し術中も注意深く観察するため安心して手術を受けることが可能です。

片側のそけいヘルニアで手術時間は約1時間です。

午前中に手術をすれば術後1時間で飲水開始、2時間で歩行開始、夕方から食事を開始いたします。

夕食は自宅で摂取してもいいので日帰り手術も可能です。

手術に使用する器具は5mm, 5mm, 3mm径の鉗子、切開器具なので傷の痛みもほとんどありません。

あまり合併症のない手術なのですが、以下のような合併症がまれに発生します。

 

1 そけい(鼡径)部の水の貯留

一番多いのはそけい部(手術した場所)に水が貯まることです。特に大きな鼡径ヘルニアの患者さんで多く発症します。格別、痛くも痒くもありません。自然に水が吸収されることも多いです。たまった水が多いと判断した場合(卵の大きさくらいに腫れた患者さん)は週に1回程度外来で水を抜く処置が必要なこともありますが、1か月程度で左右差はなくなります。

 

2 傷(特にヘソ)の感染

傷から膿がでることがあります。自宅でシャワー浴を続ければ自然に治癒することがほとんどです。外来で定期的にチェックします。

 

3 メッシュの感染

そけい(鼡径)ヘルニアは日本で年間10万例以上手術が行われているとされています。

 

私の行う腹腔鏡手術、また足の付け根(ヘルニアのある部分)を切開してやる手術、いずれもメッシュを用いて行います。つまり年間10万人以上の患者さんにメッシュを用いた手術が行われていることになります。これだけの症例を行うと少ない率ですがメッシュの感染が起こってきます。発生率としては0.17% (日本内視鏡外科学会:内視鏡外科手術に関するアン ケート調査―第 12 回集計結果報告.日鏡外会誌 19 : 520-524, 2014)と報告されており、非常に稀な合併症だとお分り頂けると思います。実際、私も1例(それも10年以上前、まだ腹腔鏡で手術をしていなかった時代)しか経験がありません。腹腔鏡で行う方がそけい部(足の付け根)を直接切開する方法よりメッシュの感染率は少ないとの報告もあります。

メッシュの感染が起こると、そけい部の腫れ、痛み、発赤、発熱など患者さんにとって辛い症状が出現します。抗生剤で治療することもありますが、最終的にはメッシュの除去が必要となります。患者さん、手術を行う我々にとっても非常につらい合併症です。